B細胞初期分化の解明

B細胞分化におけるプレB細胞レセプターの発現制御メカニズムの解明

~免疫不全症・自己免疫疾患・急性リンパ性白血病の発症機構解明へ~

 喘息や花粉症などのアレルギーと深く関係しているIgEなどの抗体は免疫細胞のうち、B細胞によってつくられます。B細胞は造血幹細胞から派生して骨髄で成長していき、成熟したB細胞になると抗体分子を細胞表面に発現しており、B細胞レセプターとよばれています。このB細胞の成長途中のプレB細胞ではB細胞レセプターによく似たプレB細胞レセプターが発現しています。B細胞レセプターはH鎖とL鎖からなり、細菌やウイルス、花粉など体内へ侵入してきた異物センサーとして働き、異物を認識することで活性化します。一方、プレB細胞レセプターはL鎖の代わりにVpreBおよびLambda5からなる代替L鎖が使われ、異物がなくても常にプレB細胞に活性化シグナルを伝えており、両者は生理的な役割が大きく異なっています。

プレB細胞レセプターの役割

これまでに明らかになったプレB細胞レセプターの役割として以下のことが考えられています。
(もっと詳しく知りたい方は各項目をクリックして下さい。)

  1. B細胞分化→機能不全により免疫不全へ
  2. プレB細胞の増殖→機能異常により急性リンパ性白血病発症へ
  3. B細胞レセプターの品質管理→機能不良により自己免疫疾患へ

 このようにプレB細胞レセプターは正常なB細胞分化にとって非常に重要である一方、プレB細胞レセプターの機能異常は免疫不全症、自己免疫疾患、白血病の発症に関与していることを紹介しました。しかしながら、プレB細胞レセプターがどのようにして制御されているかについてはまだ不明なところが多くあります。私たちは現在、このプレB細胞レセプターの発現調節メカニズムを詳細に研究することで免疫不全症、自己免疫疾患、白血病の発症メカニズム解明に努めています。